設立の経緯

東北大学医学部学生後援会設置の経緯

 この度、東北大学医学部後援会会報を発刊するにあたり、会の創設及び平成20 年度入学祝賀会のお世話をした一人として、これまでの経緯を簡単にご説明するとともに、会員の皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。
 平成19年12月に当時の菅村医学部長・医学系研究科長から命を受け、医学部医学科及び医学部保健学科の学生を支援する「医学部後援会」及び基金としての「東北大学医学部教育研究支援基金」を組織することを目的に、「医学部後援会ワーキンググループ」が作られました。本ワーキンググループでの検討の結果、既存の「艮陵同窓会」や全学的な組織である「東北大学校友会」とは、一線を画した新たな組織としての「医学部後援会」を設立することといたしました。「艮陵同窓会」は医学部医学科卒業生の医師を中心とした組織であり、以前より医学教育・研究には多大なる貢献をしていただきましたが、保健学科を含めた医学部全体としての活動には制限が存在します。また、「東北大学校友会」は東北大学入学と同時に全学生が入会する組織ですが、全学を通したスポーツ活動、文化活動を主に支援しています。今回設立された「医学部後援会」は、これら同窓会・校友会とは会員構成と目的が異なる、新たな組織として位置づけることといたしました。ワーキンググループでの熱い討論の末、本会は、医学部医学科及び保健学科学生の保護者を主な会員とし、会員の皆様のご子息・ご息女への、教育・研究支援に特化する組織といたしました。
 国立大学・東北大学も平成16年度の法人化への改組に従い、国立大学法人・東北大学と変化し、医学部にも自助努力が求められています。その一方で、現在の医学部の教育・研究環境は満足すべきものではありません。例えば、学生が昼食をとり、文房具や書籍を購入する店舗が入っている星陵会館の老朽化は著しく、その建て替えは喫緊の懸案事項です。また、講義室の音響・映像機器も最新のものへのリニューアルが必要です。身近なところでは、宮城県内の病院実習に向かう際の交通費も現状では支給されておりませんし、心身を鍛えるためのスポーツ活動への援助も十分ではありません。医学部後援会では会員の皆様からの会費と、医学部教育研究支援基金の運用を通して、学生の教育・研究を全面的に応援していく所存です。
 医学部後援会の記念すべき最初の活動として、平成20年4月2日午後2時からホテルメトロポリタン仙台において、医学部後援会主催の入学祝賀会が開催されました。医学部長代理として五十嵐副学部長の来賓祝辞、舟山眞人会長挨拶、大友弘美副会長による乾杯ご発声の後、入学祝賀パーティが賑々しく開催されました。柴原医学科長、吉沢保健学科長のスピーチ、在校生からの歓迎の言葉、医学科教授及び保健学科教授によるキャリアパス説明などの企画も好評で、120名を超える参加者との楽しい歓談の2時間が瞬く間に過ぎたように思えます。また、ご参加されました皆様から本当に温かなお言葉を頂くことができました。祝賀会を準備した一員として厚く御礼申し上げます。
 医学部後援会の活動の一環として、この会報を定期的に発刊することとなりました。本会報を通して皆様と情報を共有し、東北大学医学部医学科・保健学科の教育・研究の発展に寄与していきたいと考えております。会員の皆様の温かいご支援を頂きたく、今後もよろしくお願い申し上げます。

東北大学医学部消化器外科学教授
海野 倫明